ローテータ制御付きアンテナセレクター(汎用のIO基板)・・その5 無線Lanの状態検証

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検証状態・・・ユニットとアプリケーションの仕様

ユニットをベランダのコーナーに設置、室内のパソコンにUSBドングルタイプのWiFiアダプターを利用して制御アプリケーション接続での検証です。パソコンのWiFiドングルと製作したユニットとの距離は7m(直線)で、窓・壁・ドア(ガラス)がベランダとの間にあります。アプリケーションは手抜きですが、Windowsのフォームタイマー・インターバル(0.1秒毎)処理でユニットに入出力のパケットをいくつか送受信しています。ユニットにTCPIPでパケットを送ると応答してくる仕様でユニット側はTCPIP接続後10秒以上パケットが途切れると安全の為ローテータ関係の出力をすべてOFFにしてTCPIP接続を切断、クライアントから切断された場合もローテータ関係の出力はOFFする仕様です。アプリケーション側では送信後の応答受信でタイムアウトを1秒に設定、何らかの原因で受信処理が例外発生するとパケットロスとしてカウント、そのロスが連続で5回のインターバルで発生(0.5秒応答無し)すると異常と判断して切断する仕様にしてあります。

WROOM02(AP動作)基板アンテナタイプの場合

<WiFiドングルにアンテナの無いタイプを使用した場合>
下記写真の様に約12時間接続で一応異常切断すること無く動作、パケットロスは58回発生が記録されていました。意味は無いですが比較のため単位時間あたりロスは約4.8回程度でしょうか・・・

ESP_2F8035-1

<WiFiドングルにアンテナのあるタイプを使用した場合>
下記写真の様に約16時間ほど接続で一応異常切断すること無く動作、パケットロスは10回発生が記録されていました。意味は無いですが比較のため単位時間あたりロスは約0.5回程度でしょうか・・・

ESP_2F8035-2

USBドングル周辺での電界強度は・・測定忘れですが、概ね下記の設置場所直下の値より少し低い(壁等の要因で)レベルと思われます。

<野外での電波状況は>
スマートフォンアプリケーションでの計測なので大まかな値になります。

ESP_2F8035 -70db(設置場所直下です)
ESP_2F8035 -72db(設置場所から20mほど離れています)
ESP_2F8035 -82db(設置場所から50mほど離れています)
ESP_2F8035 -83db(設置場所から65mほど離れています)・・・この辺が測定限界でした。スマートフォンでSSID接続も個々が限界です。

WROOM02(AP動作)技適対応外付けアンテナタイプの場合

<WiFiドングルにアンテナの無いタイプを使用した場合>
下記写真の様に約9時間ほど接続で一応異常切断すること無く動作、パケットロスは29回発生が記録されていました。意味は無いですが比較のため単位時間あたりロスは約3.2回程度でしょうか・・・
ただこの画面直前でローテータ位置取得のAD値を取得していません。

ESP_5620F8-1

<WiFiドングルにアンテナのあるタイプを使用した場合>
下記写真の様に約9時間ほど接続で一応異常切断すること無く動作、パケットロスは18回発生が記録されていました。意味は無いですが比較のため単位時間あたりロスは約2回程度でしょうか・・・
ただ環境のせいか最後は切断されていました(異常ロス連続回数5を超えた??)。
この切断の回数を除けば13回が切断直前までのロスは1.4回程度になります。

ESP_5620F8-2

USBドングル周辺での電界強度は・・測定忘れですが、概ね下記の設置場所直下の値より少し低い(壁等の要因で)レベルと思われます。

<野外での電波状況は>
スマートフォンアプリケーションでの計測なので大まかな値になります。

ESP_5620F8 -58db(設置場所直下です)
ESP_5620F8 -60db(設置場所から20mほど離れています)
ESP_5620F8 -67db(設置場所から50mほど離れています)
ESP_5620F8 -75db(設置場所から75mほど離れています)

パケットロスの発生に関して

WROOM02の外部アンテナタイプでの測定ですが、下記測定写真の様に周囲には同じCHを利用する接続先が多数ありますので、パケットロスの発生は致し方無いかもしれません・・・アプリケーションは切断していてもPINGは通りますのでSSIDへの接続は大丈夫の様です。
アプリケーション側でローテータ動作での安全性をどこまで許容するかでしょうか・・・
まぁ所詮回りきったところでローテータ本体のリミットスイッチで停止しますので、もっとタイムアウト時間、異常検出回数を緩くしてもOKかもしれません。

WROOM02技適対応外付けアンテナタイプでST動作の場合

<ユニットにかなり強めのSSIDへ接続の場合>
外付けアンテナタイプを屋内LANのアクセスポイントに接続して接続性を確認してみました。
環境は同じアクセスポイントにタブレットPCでYouTubeでのLive配信(音楽)を再生。
他には無線運用のデスクトップPCを屋内LANに有線接続してありますが、このPCから実際の運用アンテナ・ローテータに接続してあるローテータ制御・アンテナセレクタユニットとTC-AH4が同じアクセスポイントに接続して無線運用のデスクトップPCと通信しています。少しはアクセスポイントに負荷をかけた状態??になっているかもしれません。ちなみにアクセスポイントは古いIOデータさんの「WN-AX1167GR2」ルーターをアクセスポイント専用として利用しています。

ベランダに設置場所には上右の様なレベル(-58db)でアクセスポイントの電波は届いています。ST動作の場合、パケットロスは少なくほぼ17時間接続で2回ほど応答がタイムアウトしたレベルですので・・・24時間フル運用でも大丈夫と思われます・・・。

<ユニットに少し弱めのSSIDへ接続の場合>
家にあるもう一つのアクセスポイント(1階リビングに設置でベランダユニット位置からは家の中で一番遠い位置で、ベランダ設置場所では-72dbほどで表示フィルターがかかっていますので近所の電波は見えていません・・・近所の電波含めては上の写真を参照してください)に接続してテストしてみました。このアクセスポイントにはそれほど無線Lan接続はないので負荷は軽いと思われます・・機材はNECさんの「PA-WG1200CR」で、これもアクセスポイント専用で使用しています。

約15時間ほど接続した状態で、パケットロスは16回カウントされています。まぁまぁ-70db以下でもそれなりに使える様な感じです。Buffaloさんの記載では、実用的な通信速度が期待できる範囲は-75 ~ -66dBm程度(ノイズ・干渉波の考慮なし)となっていますのでほぼその範囲なら大丈夫かもしれません。

<実運用に使っているユニットは・・強めのSSIDへ接続してます>
無線用のPCから接続しています。接続先は先の「強めのSSID」と同じアクセスポイントで距離は近いのですがちょうど壁裏なので、検証しているユニットより少し弱いのかもしれません。

「少し弱めのSSID接続」とほぼ同時に開始していますので、時間的には15時間ほどでしょうか。
パケットロスは13回カウントしています。

無線LAN制御のまとめ

実装する無線Lanユニット(WROOM02)は技適対応アンテナの方が基板アンテナタイプより安定しそうです・・・少しコスト高ですが、電界強度は大きい・・・理屈的には基板アンテナより指向性が強いと思われますが・・・
パケットロスの発生は-75db以上ならあまり変わらないのかもしれません。それより周囲の混信とかPC・ハブ・アクセスポイント等の処理状況に依存するのかもしれません。
また運用の方法から見るとAP動作よりST動作での使用がパソコンからのSSID接続作業が不要になるのと、WROOM02のAP動作はソフトウェアー動作とのことなので(詳しくは知らないのですが)、アプリケーションから接続中にWindowsの「WiFi Analyzer」を起動するとたちまちパケットロスが多発になります。もしかするとこれは「WiFi Analyzer」が利用するOS上の無線LAN処理が結構重たいので、制御アプリケーションへの受信関数応答が遅れるのかもしれません(想像ですが・・・OS内部までみる力量がありませんので・・・)。目下実運用で使用しているST動作環境では、ほぼ切断状態になることは無いようです(状況によって異常切断の可能性は残りますが・・・)。

電界強度測定で使用したスマートフォンのWiFiアプリは「WiFiAnalyzer」というアプリで
「https://play.google.com/store/apps/details?id=com.vrem.wifianalyzer」でダウンロードしました。SSIDでのフィルターがかけられて結構便利です(ただしフィルター設定のSSIDは前方一致で「AAA」と「AAA1」の2つSSIDが存在の場合、2つとも表示されます)。

以上で今製作している「ローテータ制御付きアンテナセレクター」の無線LAN制御検証を終わります。
あまりたいした内容ではないですが「まぁ使えそう!!」ということで、WiFi接続の参考になれば幸いです。ご覧頂きありがとうございます。
後はセレクターの「その6:周波数特性(NanoVNA測定ですが)」に続きます。

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